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玄米さわのはな・稲刈り交流ツアー!山形新庄訪問記〜つづくたね、つづく暮らし

2013年に入り「種」をテーマにした取り組みを続けているカフェスローですが、実は2001年のオープン当時から片時も離れず、ともに歩み続けてきた在来種の食材がただひとつあります。それが山形新庄の地で、高橋保廣さん・広一さん一家が栽培する「さわのはな」というお米です。


常連さんにはもはやおなじみの、もっちもちの玄米ごはんは、押しも押されぬカフェスローの看板です。「このお米は何? どうやって炊いているの?」お客さんから驚きの声を聞かない日はない、というくらい。それほどおいしいにも関わらず「色が悪く、粒が小さい」という理由で市場では価格がつかず、しばらくは農家の自家用米として細々と種を継いでいた時期もあったそうです。(※色が悪いといっても、いわゆる純白ではないというだけです)

今回は、このさわのはなの稲刈り体験イベントに、一泊二日で参加してきました。題して『幻の米さわのはな・稲刈り交流ツアー』。


(参加者みんなで一斉に稲刈り。とにかく皆さん早い! 手際が違う!)

高橋保廣さんが震災直後から取り組み続けている「まけるまい!」という被災地支援プロジェクトの一環として、新庄市の協力を得て開催された企画です。被災された農家さんをはじめ、仙台などから30名以上の参加者が集いました。もう3年目を迎える企画とあって、顔なじみ同士の参加者も少なくないようです。
まけるまい!の田植え稲刈りのツアー交流という形が始まったのは昨年。被災地以外の場所からの参加型を一緒につくらせて頂き、カフェスローからも昨年から定期的に参加させて頂いています!

カフェスローから参加した私たちは、このツアープログラムに合流しつつ、合間に別行動で高橋家の田んぼを案内して頂きました。


とにかく最高のお天気に恵まれ、感動的に美しい風景! どこまでも青く広い空。雄大な山々。新庄の地に流れる清冽な水を生み出す神室山、鳥海山、月山。そして風に揺れる黄金色の稲穂。

まず最初に、高橋家の目の前にあるさわのはなの田を見てみろ、と保廣さん。稲穂の色が違うというのです。周囲を見回すと確かに。さわのはなの稲穂だけ、より深く濃いオレンジなのです。熟し方の違いが色に現れる。これが稲の生命力の違いだ、と誇らしそうに語ります。

なぜ生命力が違うのでしょうか? 土地に合った在来種だから?
どうやら理由はそれだけではなさそうです。


通常は田植え前にハウスで育てる稲苗を、高橋さんはすべて露地で、ハウスの倍近い時間をかけて、じっくりと育てていきます。当然、ハウスと違って寒く厳しい環境です。気温と土の温度差の分だけ、時間がかかることになります。しかしその反面、稲自身が生き延びようとする生命力を発揮して、より深く強い根を張るようになるのです。

車で新庄を案内される最中、美しい黄金色の田園風景が広がっていましたが、ところどころ、9月半ばの大型台風が上陸した被害で倒伏してしまっている稲がありました。それを指し、「過保護な稲は、ああなる」と高橋さん。ハウスの環境で急速に育てられたため根が弱く、化学肥料を多く与えられ背丈ばかり伸びるので、結果として台風のような危機にも弱くなります。


(稲刈りしたさわのはなを、天日干し)

そしてもうひとつの大きな特徴。高橋さんの田は、稲の植わっている間隔が一般の田の2倍ほども広くとられています。

一般的に考えれば、同じ面積に少しでも多くの稲を植えた方が収量が上がるはず。しかし一方で、風通しが悪くなり、稲同士が密着しているため、病害が発生した際に周囲に伝播しやすいという危険もあります。それを避け、収量を確保するためには、必然的に農薬と化学肥料に頼りがちになります。

一方のさわのはなは、風土に適した品種であるためか、元々冷害に強く、農薬や肥料をあまり必要としない(むしろ多く与えられることを嫌う)という性質があるそうです。

一本一本の稲が自ら生命力を養い、強く根を張って、新庄の風をいっぱいに浴びて健やかに育ってほしいという願いをこめて、面積あたりの収量を多少落としてでも、ゆったりと栽培されているのです。




(周りの参加者に稲刈りの仕方、稲わらの束ね方を親切に指導して頂き、徐々にスピードアップ。すっかり上達しました!)


(仙台在住の元カフェスロースタッフ・いまむと現地で合流!)

===

そして二日目には、栗拾いのプログラムを途中で抜け出し、保廣さんが「宝物」と愛してやまない大切な田んぼへと案内していただきました。栗林を抜け、道なき道をずんずんと進む保廣さんの後ろを歩いてたどり着いたのは、四方を林に囲まれた4.5町歩もの広大な棚田。




遠くには美しい神室山を臨みます。高いところまで上がって見下ろすと、息を呑むほどの美しい風景が広がりました。


元々保廣さんの曾祖父様の代から炭焼きに使っていたという山。昭和49年に保廣さんが自ら開墾し、地下水を汲み上げて作り上げたといいます。林に囲まれ、周囲に他の田がなく、水を共有する必要もないので、周辺農家の使用する農薬に影響されたり周囲に気を使う必要がなく、本当に理想とする環境を稲に与えてあげられるのが、この田んぼだと言います。そしてカフェスローに届くのは、この田んぼで育ったお米なのです!


「本当に、ここは宝物なんだ」いとおしそうに保宏さんは繰り返します。これほどまで大切に愛された田んぼから生まれたさわのはながカフェスローに届けられていると知り、深い感慨を覚えました。


(余談ですが、保廣さんは「おやつだ」と言って栗を落として、その場でポリポリ。)




(栗って生で食べられるんですか?と驚く私たちに、保廣さんは呆れて「当たり前だべー」)

===

保廣さんのご子息、広一さんの言葉も印象に残りました。

東京でカフェスローを運営していると、日々迷い悩むなかで、自分たちのやっていることがどれほどの意味を持つのかと自問することもあります。風土と共生し人を活かす農法を実践し、未来への想いを込めて素晴らしい食材を提供してくださる農家さんたちに対して、都市の自分たちにどれほどのことができるのだろうか、と。この日も、稲刈りシーズンの忙しいなか、本当に手厚く出迎えもてなしてくださったことに、どこか恐縮する気持ちもありました。

そんなとき広一さんは「カフェスローのような場が東京にあり、さわのはなや新庄に価値を与えてくれることがどれほど生産者の励みになっているか」ということを語って聞かせてくださいました。自分も同じように迷い模索している。でも「カフェスローがつないでくれるお客さん、人々がいるから、自信を持ってやっていける」


(次世代の新庄を担う、高橋広一さん。立派に育ったさわのはなの稲を両手に笑顔!)

単なる利害一致の取引先同士の関係ではない。
かといって、こちらが生産者や農村を一方的に敬い、美化して崇めているのでもない。
迷いも悩みも共有し、ともに歩んで行く。

種も同じです。生産者任せではなく、守りたいもの、守る意味、お互いの本当に大切なことを知り、わかちあい、一緒に守っていく。どちらも欠けてはいけない必要な存在。それはカフェスローから離れてひとりの「食べる人」になったとしても、同じことです。

生産者との交流という一言では括れない、素晴らしい体験でした。
高橋さんご一家をはじめ、お世話になった皆さま、ありがとうございました!



(間)

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【関連サイト】

・ネットワーク農縁(新庄水田トラスト) 

・「土と平和の祭典2013!カフェスロー出店メニュー紹介!」
・「つづくたねの野菜プレート」フードメニュー 

・「まけるまい! 幻の米さわのはな・稲刈り交流ツアー2013」
・「2013まけるまい!田植えツアー!」報告 こちら
・「2012まけるまい!田植えツアーin 新庄」アルバム こちら
・「収穫・感謝祭〜ネットワーク農縁+新庄水田トラスト+新庄大豆畑トラスト合同企画!(2012.12.)」こちら

・「友産友消のススメ」 こちら

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